「ぼちぼち結論」養老孟司

ぼちぼち結論 (中公新書)

ぼちぼち結論 (中公新書)

向こう側の人間と、こちら側の人間。そういう区別をつけたがるようになっているのではないかと。そんなことを、最近良く考えているなぁ、、、何でかな?と思っていたら、世の中がそんな感じになっていることに気付いた。曰く、世間の二極化。格差社会。「勝ち組と負け組」なんて言葉が流行りだしたところから、なんだかおかしなことになってきたなぁ、とは思っていたけれど。すべてのものにラベルを貼らないと気が済まなくなってきたのは、日本人の脳までが、欧米化(米国化)してきた証拠なのだろうか。東洋人の感情は、そんなに単純にはできていなかったはずなのだが・・・。
だから何が言いたいのか、というと。
自由って、何だ?「欲しいものは、誰がなんと言おうと欲しい」って言うのは、民主主義か?ってことなんだけど。正義っていうのは、分かり易いよね。自分の正義が、他人の正義とは限らない。だから、ここに争いってものが発生するわけだけど。じゃぁ、自由って何だ?     私の考える自由っていうのは、義務とセットになるべきものなのだが。何で義務とセットかというと、誰かの不自由の上にしか、成り立たないから。その誰かの不自由を、噛みしめなくちゃならない。その不自由をこうむる「誰か」というのが、一部に集中しないように配慮しなくてはならない。そういう義務。
自由っていうのは、誰かの不自由の下に成り立つ、という考え方は、養老孟司さんもおっしゃっていることだけど。はたして今の世の中で、どれだけの人が理解できるのだろうか。半数以上の人が理解できる考えなのならば、格差社会になったところで、何の心配もないはずだと思う。格差の上にいる人の自由は、格差の下にいる人の不自由の上に成り立っているのだから。そこには、配慮しなくてはならない義務があるはずだから。
まぁ、こんなことを書いているけれども、ないことを嘆いても仕方がないので。自分だけは、自分が嫌いな人間にならないように気をつけます。書評だと思ったら、大間違いな内容になっているけど(笑) 元々書評を書いているつもりもないし、まぁいいか。